人生で一番遠い大分旅行へ③(10月13日別府ロープウェイ編)
フェリーを下りた時から目の前に悠然とその姿を見せる山々。
地元の山、六甲山やその界隈とは地質が違う事を感じる。
三角の山は目立たず、目に飛び込んでくる山は全て茶碗型。
表現がおかしいかも知れないけれど、粘っこい溶岩の火山だ。
なんやったら別府タワーからも見える...
ガイドさんの『左に見えますの”HA”...』という発音が気になって内容が入ってこない。
ちゃんと聞こえるようにする特別な発音なんだろうか。。。
不甲斐なくフェリーでやられた三半規管に追い打ちをかけるロープウェイの不規則3Dな揺れに耐え、途中山腹に見られる溶岩のそのままの姿に感動しながら、標高500mの別府高原駅から高低差800m、全長1816mで、標高1300mに到着した鶴見山上駅の外は、山頂まであと少しのハゲた広場。
七福神巡りや札所巡りと興味をそそらないイベントが目白押し。
しかし振り返るとそこには。。。
別府港や国東半島が一望できます。
山上駅からは裏側に位置する、由布院方面の展望台に興味を示していた母ですが、場所は山頂付近。
僕だけ小走りで山頂に向かいます。
衰えた身体にはなかなかのハードトレーニング。
その間、ずっと鼻を刺激する硫黄臭。
今も噴煙をくゆらせています。
一応山頂メイクしたって事で、記念セルフィーでもと思ったんだけど、割と年いったカポーが『いいよ!いい!いい!』『いやん、かっこいいわ!』とかイチャコラして全く退かず、六甲山でよくやる『山頂で戯れる猿』を撮ってきた。
お袋様に見せてやれるような感動的な写真も撮れず、山上展望地区へ引き返します。
そこへお袋様。
『あんた!カエルがおるで!』
カエル(の置物)が好きな僕に教えてくれた。
なんかガイドのお姉さんが言ってたな...
奥へ進むと...
一つの石と由緒書。
~その昔、鶴見岳の雄岳・雌岳を治めていた火之加具士命(男神:火男)・火焼速女命(女神:火売)が大権現として麓の村人たちに崇められていました。
山中に大きなわくど(現地の言葉でカエルを指す)が住み着いており、時折村に下りて悪さをしていました。
村人たちが権現様にお願いしようと嘆願したところ、二柱の神 火之加具士命(ほのかぐつちのみこと)と 火焼速女命(ひやきはやめのみこと)はこのわくどを呼び、
『これから悪さをやめ、三日三晩の内に麓の大石百個を鶴見岳山上に持って上がり、山上に御神域を作ったら私の眷属にしてやろう』と仰いました。
わくど『あな嬉しや!これで人共に嫌われる獣から神様のお使いになれるぞ!』と喜び、ありとあらゆる知恵と力を振り絞り、約束通り三日三晩の内に御神域を作り上げました。
ところで権現様。
『眷属となって何を為す』とわくどに問われたところ、
『私は知恵と力を使って一生懸命岩を持って上がりましたので、脳(知恵)と命(健康・長生き・活力)のお使いを...』
とそれを許されました。~
ってお話。
妙に感動して涙が出そうになりました。
色んな考え方のできるお話ですね。
山上駅に戻り、『おんせん娘』だったかな?と記念撮影したり、大分弁で書かれた温泉の作法がプリントされた手ぬぐいを買ったりして下りのロープウェイへ。